【NHKスペシャル】人類を救う”命のアブラ”TOKIOと探る「理想の食」とは?

スポンサーリンク
エンタメ
Coconut oil

本ページはプロモーションが含まれています。

スポンサーリンク

2020年1月12日の『NHKスペシャル 食の起源』では、TOKIOと探る「理想の食」人類を救う”命のアブラ”が特集されました。

最近アブラにまつわる恐ろしい事実がわかってきたそうです。

3500年前の古代エジプトのミイラをCTスキャンで調べたところ、現代病と思われていた深刻な動脈硬化があちこちに見つかったのです。

原因はアブラの摂りすぎだったそうです。

肥満・動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞など、命にかかわる病につながるアブラは、健康の敵だったようです。

かと思えば、世界には摂取カロリーの7割をアブラで摂っているのに、健康な人もいるのです。

アブラの中には体に良いものもあるということ。

本当に必要なアブラとは?その答えは人類の進化に隠されていました。

この記事では、番組で紹介されたアブラの秘密をまとめます。

スポンサーリンク

アブラの種類

coconut oil in a glass bottle and fresh nuts

アブラには飽和(ほうわ)脂肪酸・オメガ3・オメガ5・オメガ6・オメガ7・オメガ9といった成分でできており、どれも脂肪酸と呼ばれています。

飽和脂肪酸は主にカロリーのもとになるアブラで、豚肉や牛肉の脂、バターなどに多く含まれています。摂りすぎると生活習慣病の原因になってしまうアブラです。

一方体に良いと注目を集めているのが、オメガ3・オメガ6です。

番組では、私たちにとって理想のアブラとは何なのか探っていきます。

オメガ3脂肪酸のすごさとは?

脂肪酸にはいくつかの種類がありますが、人類にとってとても重要な油がオメガ3脂肪酸オメガ6脂肪酸です。

まずはオメガ3脂肪酸について知るために、カナダ北部・先住民族のイヌイットが暮らす北極圏のイカルイトへ。

彼らが食べているごちそうは、皮下脂肪がたっぷりのアザラシやクジラの脂身など。

イヌイットの伝統的な食生活では、摂取カロリーの7割がアブラなのです。

普通なら血液がどろどろになり動脈硬化を起こしそうですが、彼らはいたって健康です。

コペンハーゲン大学のヨーン・ダイヤベルグ博士によると、イヌイットが食べているアブラを調査したところ、彼らは1日に14g、日本人の10倍近くもオメガ3をとっていることがわかったのです。

私たちの体を作る細胞は、アブラの膜で覆われています。オメガ3脂肪酸は、全身の細胞膜を作るための重要な材料のひとつなのです。

オメガ3脂肪酸は曲がった形をしており、真っ直ぐな棒状の細胞膜の間に入り込むことで摩擦が減り、細胞膜が柔軟に変形しやすくなるそうです。

この柔軟性が、健康にはとても大切です。

例えば血液を全身に届ける血管の壁の細胞は、オメガ3脂肪酸が多いと血管がしなやかになり、血流が良くなります。

さらにその中を流れる赤血球も、オメガ3脂肪酸が多いと細い血管を通る時も柔軟に曲がることができ、血液がサラサラになります。

その結果、動脈硬化や心臓病になりにくい体になるのです。

精子の細胞膜にも、オメガ3脂肪酸は多く含まれています。これが不足してしまうと、正常に受精できなくなってしまいます。

脳にも高度な脳機能にかかわる部分に、オメガ3脂肪酸が密集しています。

脳内の神経細胞が情報のやり取りをする際にも、オメガ3脂肪酸の柔軟性が重要な役割を果たしています。

TOKIOの皆さんもオメガ3脂肪酸を試食してみましたが、「抵抗感がない」と言っていました。

宮城大学 食産業学群教授の石川伸一先生によると、オメガ3脂肪酸は人体の数十兆個の細胞すべての柔軟性に関係しているそうです。

動脈硬化認知症の予防に有効という研究報告も!

人類の進化と切っても切れない特別なアブラ

オメガ3脂肪酸と体の関係を知るために、6億年前へさかのぼります。

海の中の藻は、特別な遺伝子の働きでオメガ3脂肪酸を自分で作りだすことができます。

このころの私たちの祖先である生物も実は同じ遺伝子を持っていて、オメガ3脂肪酸を体内で作りだすことができたのです。

ところが、オメガ3を含む海藻を食べ始めたところ、オメガ3脂肪酸を作り出す遺伝子が消えてしまったのです。

およそ5億年前、弱肉強食時代へ。私たちの祖先はオメガ3脂肪酸を作れなくなったため、外からオメガ3脂肪酸を取り込むしかなくなっています。

たくさんオメガ3脂肪酸を手に入れた生物が、どんどん強く進化していきました。

現代でも海の中では、マグロのような強い魚がオメガ3脂肪酸をたくさん溜め込んでいます。

青魚に豊富なDHAやEPA=オメガ3脂肪酸です。

そんな魚を獲って食べて健康を維持しているのが、人類なのです。

およそ7万年前、オメガ3脂肪酸が人類のある部分に大きな変化をもたらします。

人類誕生の地・南アフリカのピナクルポイントには火山灰を含む地層が残っており、成分を調査するとインドネシアのトバ火山から噴き出したものであることがわかりました。

およそ7万4000年前に巨大噴火がおこり、莫大な噴出物が世界中の大気を覆い、平均気温が12℃も低下。『火山の冬』と呼ばれる寒冷化が起こりました。

多くの動植物が死に追いやられ、アフリカ中に広がっていた人類の祖先も食糧難で絶滅の危機に直面しました。

ところが南アフリカの地層から、海辺の祖先たちはその後も豊かな暮らしをしていたことがわかってきました。

特に良く食べられていたのがです。海辺の食べ物には、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれていました。

まさにこの頃、祖先たちに高い知性が芽生え始めたことを示すものが発掘されています。

巧妙に穴があけられた貝殻の首飾り、化粧に使ったと思われる顔料など、高度な文化が花開いていたようです。

こうした知性の発達を大きく促したと考えられるのが、オメガ3脂肪酸です。

オメガ3脂肪酸を多く摂ったことで、神経細胞の高度なネットワークが発達し、人類が高い知性と文化を生む原動力になったと考えられるのです。

オメガ3脂肪酸は、脳を育む材料なのです。

オメガ3脂肪酸は胎児にとっても重要な役割を持っています。

実は母乳にも、オメガ3脂肪酸がたっぷり含まれています。

その後世界各地へ拡散した人類ですが、行く先々でオメガ3脂肪酸を多く含む食材を食べてきたことがわかっています。

例)貝・骨髄・クルミ・ウナギ・昆虫・魚・クジラ・グリーンナッツ・アザラシ・テンジクネズミ

栄養バランスに優れていない人類の祖先は子孫を残せなかったが、子孫を残せた祖先が食べたものの中にオメガ3脂肪酸が多く入っていたのではないか…と言われています。

オメガ6脂肪酸とは?

オメガ6脂肪酸はサラダ油(大豆油・コーン油など)に豊富に含まれる脂肪酸で、こちらも全身の細胞膜の材料になる体に欠かせないアブラです。

オメガ6脂肪酸はウィルスや病原菌から体を守る役割を持っています。

ウィルスや病原菌が体に侵入すると、オメガ6脂肪酸が白血球に「攻撃せよ!」と命令を出します。

すると白血球が病原菌をやっつけ始めることがわかっています。

オメガ6脂肪酸は体を守る防衛隊長なのです。

そんなオメガ6脂肪酸は、揚げ物などに使うサラダ油のほか、鶏肉・豚肉・牛肉の脂などにも含まれています。

とても身近なアブラですが、オメガ6脂肪酸が増えすぎると攻撃指令が過剰に。すると白血球が大暴走し、敵ではない自分の細胞まで傷つけてしまうのです。

実はそんな時にも役立つのが、オメガ3脂肪酸です。

オメガ3脂肪酸=オメガ6脂肪酸の過剰な攻撃指令にブレーキ

アクセルをふむオメガ6とブレーキをふむオメガ3、このどちらのエネルギーもバランスを保っていることが重要です。

このバランスが崩れると、命の危機にもつながるのです。

オメガ3・オメガ6のバランス

福岡県久山町では、40歳以上の3000人を対象に血液中のオメガ3・オメガ6の割合を調査したところ、血液中のオメガ3:オメガ6の割合で、心臓病での死亡リスクに変化が。

血液中のオメガ3とオメガ6の割合が1:2を超えると、急速に心臓病のリスクが高まることがわかりました。

オメガ3で抑えられるオメガ6の量は、1:2まで。それ以上オメガ6が増えると、じわじわと体を痛めつける可能性があるのです。

私たちが食べる料理の多くにオメガ6が含まれています。

オメガ6が過剰になると、白血球に誤って大事な血管壁まで傷つけさせてしまい、知らぬ間に動脈硬化を進めてしまう危険性があります。

動脈硬化が原因で、今や日本人の4人に1人が脳梗塞や心筋梗塞などで命を落としています。

その裏には、オメガ3とオメガ6のバランスの崩壊という問題が潜んでいると考えられます。

オメガ6の多い揚げ物や炒め物を減らし、オメガ6の摂取量を減らすということが理想的です。

オメガ6からできる物質(アナンダマイド)は、脳内に興奮作用をもたらすことがわかっているので注意が必要です。

欧米型の食事では、オメガ3:オメガ6の割合が1:10と言われています。

文明が招いた”アブラの異変”

PICT7015

TOKIOの国分さんと長瀬さんは、異なるエサで育った牛肉を食べ比べてみました。

牛肉A:穀物 牛肉B:牧草

この2つの脂身は食べてみると味が全く違い、牛肉Aが脂っぽい印象なのに対し、牛肉Bはサラッとしています。

さらにオメガ3:オメガ6の割合も違います。

穀物で育てた牛はオメガ3:オメガ6の割合が1:8~10に対して、牧草で育てた牛はどれも1:2となっています。

動物は本来の自然な食べ物を食べていると、体内のオメガ3:オメガ6の割合が1:2と理想的な割合で保たれていることがわかっています。

古代エジプトの時代から、その割合が崩れてきます。

彼らがとっていたアブラにはオメガ6脂肪酸が多すぎたため、動脈硬化を起こしていたのです。

古代エジプトの王族の食生活はグルメの極み!脂の乗った羊やわざと太らせたガチョウの肝臓(フォアグラ)などを好んで食べていました。

問題はそのエサにありました。

本来は草を食べる羊や鳥に、オメガ6の多い麦などの穀物を無理に食べさせていました。

さらに同じころ、オメガ6の多い胡麻などの食用油を作り始めました。

これらの食べ物を多く食べた結果、深刻な動脈硬化を招いたと考えられるのです。

その後も人類はおいしさを求めて、オメガ6が過剰な食生活に突き進んでいきました。

私たちの食生活は昔の王族の食事をしているようなものなので、考え直す時がきています。

ヨーロッパ(フランス)などでは、家畜のエサを穀物から牧草へ戻そうという動きがみられるようになっています。

オメガ3脂肪酸をとるのにおすすめなのが、マグロの中トロです。

1日に中トロを1~2貫食べれば、オメガ3脂肪酸のバランスをある程度整えられるそうですよ!

日本人とアブラの意外な新発見

北海道礼文島で発見された3800年前の縄文人の骨の遺伝子を調べてみると、アブラを積極的にエネルギーにできる遺伝子を持っていることがわかりました。

彼らが食べていたのは、アブラをたっぷり蓄えたトドやアシカなどでした。

その貴重なアブラを糧にして生きられるよう、遺伝子までも進化したと言われています。

飽食の現代、私たちは今や摂りすぎるほどに様々なアブラに囲まれています。

その中に、今も昔も私たちの命を支え続けるアブラがあったのです。

次回のテーマは『酒』

今回は、私たちの健康に重要な影響を及ぼすアブラについて放送されました。

体に良いアブラ・悪いアブラを知って、バランスよく食べることが健康への近道になるようですね。

次回(2月2日)は『酒』をテーマに、人類の進化をもとに食の起源を探るそうですよ!