2020年3月17日の『名医とつながる!たけしの家庭の医学』では、壮絶な闘病を体験した3人の芸能人の病気を特集。
最終回に登場した天龍源一郎さんは、ある日めまいに襲われます。
この記事では、天龍源一郎さんが経験したキケンな病についてまとめます!
命にかかわる初期症状の『めまい』
多くの人が経験したことがある『めまい』ですが、その原因は約4割が耳の組織の病気で、約6割が命にかかわる初期症状の可能性があるのです。
そんな危険な『めまい』に襲われたのが、元プロレスラーの天龍源一郎でした。
5年前に引退するまでリングに立ち続けた天龍さんは、生きるレジェンドと呼ばれました。
天龍さんを襲ったのは、日本人の多くが命を落とす病がもたらすめまい症状でした。
ところが当の本人は、「身体を鍛えているから大丈夫」と過信していました。
そんな天龍さんの異変を見逃さなかったのが、妻と娘でした。
天龍源一郎さんの生活習慣
1963年13歳で相撲部屋に入り、前頭筆頭まで上り詰めた天龍さん。
26歳の時ジャイアント馬場さんにスカウトされ、プロレスラーになりました。
天龍さんこそ、ジャイアント馬場さん、アントニオ猪木さんからスリーカウントを奪って勝利した唯一のレスラーなのです。
プライベートでは31歳の時、妻まき代さんと結婚。愛娘の紋奈さんも生まれ公私ともに順風満帆でした。
天龍さんを支えていたのは、奥様が作る高カロリーな食事でした。
中でもから揚げは大好物で、一食で60個、6000kcalものから揚げを食べていました。
当時は肉ならいくらでも食べられたと言います。
さらに酒豪でもある天龍さん。仲間と飲みに行くと、色々なお酒をちゃんぽんして店の酒を飲みつくすことも度々だったそうです。
症状① ふわふわするめまい
天龍さんに異変が現れたのは、2019年春のことでした。
2年前に嫁いだ娘に初孫ができるのを、心待ちにしていました。
「初孫ができたら現役時代の得意技・パワーボムを教えてあげたい!」と、筋トレを欠かすことはありませんでした。
そのため毎年受けていた健康診断で、血圧が少し高い以外は異常はありませんでした。
「身体を鍛えているうちは病気にならない」と考えていました。
ところがある日、奥様と近所のお店で昼食をとり立ち上がった瞬間、突然ふわふわと揺れているようなめまいに襲われたのです。
症状② まっすぐ歩けず右へ進む
さらにその帰り道でも異変が!
奥様と並んで歩いていたのにまっすぐ歩けず、いつの間に右へ右へと進んでいました。
何か身体に異常が発生していると思った奥様ですが、いくら口で言っても聞いてくれないと思い、腕を組んで強引に連れ帰ることにしました。
脊椎管手術をやった時の後遺症が出たのかと思い、自分を納得させたと言います。
症状③ 黒目が小刻みに動く
翌朝新たな異変が天龍さんを襲います。
ベッドから立ち上がると、再びふわふわするめまいを感じます。
奥様が天龍さんの身体をチェックしたところ、熱はありませんでしたが、目の動きがおかしいことを発見します。
目の異変は5~6分でおさまりましたが、ただ事ではないと思った奥様はかかりつけ医に電話で相談します。
病院で診てもらうようすすめましたが、天龍さんは「こんなことで病院へ行けない」と取り付く島もない状態でした。
症状④ 身体が右側に傾く
その日の夜お風呂に入ると、座っているのに身体が右側へ傾き壁にぶつかってしまいました。
症状⑤ ろれつが回らない
この異変を奥様に伝えようとしたのですが、あまりにも活舌が悪く聞き取れません。
活舌の悪さは天龍さんのトレードマークですが、まき代さんはいつもとは違う異変を感じ取ったのです。
そこでまき代さんは天龍さんを車に乗せ、かかりつけの病院へ連れていきました。
天龍源一郎さんの病気の正体とは?
病院でMRIをとったところ、2か所に脳梗塞が発生していることが判明しました。
【脳梗塞とは?】
血栓などが脳の血管で詰まり、脳の一部が壊死してしまう病
主な原因は暴飲暴食などの乱れた生活習慣です。
天龍さんの場合ハードな運動はしていましたが、肉中心の食事と過度な飲酒が原因で血管の壁を傷つけプラークを形成し、それがはがれて血栓となり、脳の血管に詰まったと考えられます。
天龍さんの場合、小脳に2か所壊死した部分が見つかりました。
【小脳】
身体のバランスや目・口の動きを調整
小脳の一部が壊死すると、めまい・ろれつが回らないといった症状が起きます。
天龍さんの場合、幸いなことに血栓が血流で流されたため最悪の事態を回避でき、大きな後遺症も残らずに済みました。
脳梗塞は90日以内に再発しやすい
「脳梗塞程度でよかった」とのんきに考えていた天龍さんは、生活習慣を反省するどころか安静にせず大好きな競馬に夢中になったり、点滴を外すと言い始めるなど、傍若無人ぶりを発揮してしまいます。
医師からも「脳梗塞は90日以内に再発する可能性が非常に高いんです。生活習慣も改めるようにしてください。」と言われました。
ところが天龍さんは「はやく自由気ままに暮らしたい」と考えていました。
退院後の天龍さんはすぐに仕事に復帰し、まき代さんの目が離れたところで暴食を繰り返し、仲間との過度な飲酒も続けていました。
還暦を越えた身体が悲鳴を上げていることも知らずに…。
症状⑥ 手足が重たくなる
脳梗塞を発症してから11日後、娘の紋奈さん夫婦が天龍家を訪れていました。
夕食が始まって1時間、立ち上がろうとした時、突然手足が重たくなり立ち上がることができなくなりました。
「少し酔ったみたいだな」と言いとっさにゴマかした天龍さんでしたが、右利きの天龍さんが右手を動かさないでいることに娘さんが気づきました。
その直後天龍さんの顔を見たら、右側が全部落ちていて「もうダメだ」と思い、すぐに救急車を呼びました。
紋奈さんがいち早く異変に気づいたことで、天龍さんは一命を取り留めることができました。
天龍さんを変えたエンディングノート
同じ轍を踏まないために、家族が天龍さんに渡したのが『エンディングノート』でした。
万が一のことを自覚してほしい、自分や家族について考えてほしいという思いで、ノートを渡しました。
天龍さんはノートに、家族への感謝を書き始めたそうです。
2人のおかげで今があることを実感した天龍さんは、生活も改めたそうです。
お酒も缶ビール1本程度、間食はしないなど、食生活も変わりました。
天龍さんが気づけなかった2つの脳梗塞のサイン
天龍さんが気づけなかった脳梗塞のサインは、2つありました。
兵庫医科大学の吉村先生に詳しく教えてもらいました。
1.物が二重に見える
脳は両目を上手く動かして物を見ていますが、脳梗塞で片方の目だけ動きが悪くなると、物が2つに見えるようになります。
数分~数受粉で症状が回復してしまうことが多いため安心しがちですが、脳の血管が詰まったサインなので、今後大きな脳梗塞を起こす可能性が高いとのこと。
2.顔のマヒ
脳梗塞の主な症状は半身マヒで、片方の手・足や顔も動きにくくなるそうです。
顔のマヒは自分では気づきにくいため、次のようなチェック方法が有効だそうです。
【脳梗塞チェック】
「イー」の口をする⇒片方が動きにくい⇒顔のマヒがある
実際の患者さんを見てみると、左側の口角が上がっていないのがわかります。
顔にマヒが起こっていると、手のマヒを伴っていることが多いと言います。
早く病院に行けば治療薬の点滴やカテーテル手術で治療ができるので、異常が見つかったらすぐに救急車を呼ぶようにしましょう。
まとめ
天龍さんは家族に細かいことを言われると「うるさい」と感じることもあったそうですが、今は聞き入れて自分の症状を考えながら1日を振り返ったほうがよいと言います。
家族のコミュニケーションを大切にしてほしいとのこと。
ぜひ参考にしたいですね。
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