2020年2月13日の『主治医が見つかる診療所』では、自覚がない人ほど危険な『アレルギーの新常識』が特集されました。
推理ドラマ②では、ラーメン×ある習慣で命の危機に!
この記事では2つ目の実例とアレルギーについてまとめます。
推理ドラマ② ラーメン×ついやりがちな行為が命取りに!
太田祐次さん(仮名・51歳)は、夫婦二人で行く食べ歩きが楽しみでした。
食べ歩きの前には少しでもカロリーを消費するため、ランニングを行っていました。
2月上旬のある週末、朝食はワカメの味噌汁だけで済ませた太田さん。
食べ歩きへ1軒目は、グルメ雑誌で話題のウナギ店です。看板メニューのうな重をいただきました。
食後は喫茶店でホットコーヒー(ブラック)を飲みながら、一息つきました。
食べ歩き2軒目は、本やテレビで話題のラーメン店です。大好物のラーメンをいただきます。
食後は小走りで移動し、3軒目のプリン屋さんへ。寒い中行列に並んでプリンをゲットしました。
ところがその帰り道、突如激しいかゆみに見舞われます。お腹には発疹が見られ、呼吸困難に。
救急病院に運ばれた太田さん。これまで食物アレルギーは1度も起こしたことがありません。
どの食べ物と行動がまずかったのでしょう?
ラーメン×食後に走る
あいち小児保健医療総合センターの伊藤先生によると、今回の症例は食物依存性運動誘発アナフィラキシーという疾患だそうです。
原因⇒ラーメンを食べた後に走ったこと
なぜラーメン×小走りでアレルギーが発生するかというと、食べた後に運動することでアレルゲンをたくさん吸収してしまうからだそうです。
これまで小麦アレルギーと思っていなかった人も、突如発症することがあります。
●運動していない場合⇒アレルゲンの吸収が少ない
●運動した場合⇒アレルゲンの吸収が多くなる
普段小麦を食べてもアレルギー症状が出ない人は、小麦アレルギーに気づかないことが多いそうです。
実際にこの症状を発症した方に聞くと、小学校では給食の後運動して蕁麻疹が出ることが多かったとのこと。原因の特定まで2年もかかったそうです。
一般的には球技やランニングなど激しい運動をした時に現れやすいようですが、激しい運動以外でも発症することがあります。
ひめのともみクリニックの姫野先生の患者さんの例では、パンが好きな若い女性がパンを食べた後にシャワーを浴びたところ息苦しくなり、アレルギーを発症したそうです。
矢上先生によると、散歩・シャワーや入浴・飲酒も発症の原因になるとのこと。
この症状は急に発症するため、注意が必要です。
イシハラクリニックの石原先生によると、寝不足・疲労・ストレス・生理などが重なると発症しやすいそうです。体調管理に注意が必要ですね。
この症状の原因となる食べものの7割は小麦ですが、甲殻類・果物などでも起こる可能性があります。
アレルギーの予防・対処法
そしがや大蔵クリニックの中山先生によると、食物依存性運動誘発アナフィラキシーは原因となる食べものを食べて2時間以内に運動すると症状が起きてしまう人が多いそうです。
安全を考えると、4時間は運動を避けた方がよいと言われています。そのため、次の対処法が効果的と考えられます。
【食物依存性運動誘発アナフィラキシー予防法】
●アレルギーを引き起こす食べものを避ける
●食後4時間空けてから運動する
隠れ小麦アレルギーに注意
身近な食べ物であるラーメン×運動から、小麦アレルギーを発症してしまうとは盲点でしたね。
急に発症することが多いようなので、それまで症状が出ていないひとほど注意が必要だとわかりました。
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