【カズレーザーと学ぶ】遺伝子と才能まとめ(2023年1月10日)

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遺伝子 生活の知恵

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2023年1月10日の『カズレーザーと学ぶ』で放送された、遺伝子と才能を紹介します!

今回のカズレーザーと学ぶでは、遺伝子と才能を特集。

あなたの年収は、遺伝で60%決まっている???

受精卵から才能や病気を予測!

禁断のポリジェニックスコア&血液一滴で顔を完全再現!ゲノムモンタージュ等。

今回の記事では、2023年1月10日の『カズレーザーと学ぶ』で放送された、遺伝子と才能をまとめます。

 

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遺伝するものしないもの

収入、恋愛、笑いのセンス等、遺伝するものしないものについて、行動遺伝学者安藤寿康さん(慶應義塾大学教授)が、講義してくださいました。

慶應義塾大学教授行動遺伝学者安藤寿康さんは、20年以上同じ環境で育った一卵性と二卵性の双生児約1万組以上を比較人間の能力が遺伝と環境どちらの影響をより大きく受けているかを調査されてきました。

膨大なデータから見えてきた、遺伝の新事実とは???

インドネシアの双子の兄弟エミリーフォークさんとリンバックランドさんは一卵性の双生児なのですが生後8か月の時に、片方の方がスウェーデンに養子に出され離れ離れになりお互いの存在を知らずに育ちました。

成長したのちSNSで自分と似た様な人がいると片方の方が知って、28歳の時に連絡を取り再会を果たしたところ、2人共同じ職業の教師をしており、結婚式を挙げた日が1年違いではありますが日付が同じ、結婚式で流した曲が同じだったということが分かりました。

こちらの例だけではなく、別々に育った双子が類似性を示す例はたくさん見つかっています。

これは、行動遺伝学者安藤寿康さん(慶應義塾大学教授)によると、遺伝の影響だと言えるとのこと。

一緒に育った双子と別々に育った双子を比較した研究があり、環境の影響で似るなら、一緒に育った双子の方が性格が似るはずなのですが、結果は、一緒に育った双子と別々に育った双子、どちらもほぼ同じという結果が出ました。 

これを、性格、収入、学力、運動能力、病気など、どの程度遺伝の影響が強いかを明らかにすることができるとのことで、遺伝子が様々な形質に与える影響をスペック別遺伝率で示されました。

遺伝子が様々な形質に与える影響
出典:twitter@ryuyatkhs

指紋、身長、体重は、遺伝の影響が大きく、パーソナリティーの色々な側面、同調性、真面目さ等、性格は50%程度遺伝の影響を受けています。

性格などの人柄は、ほぼ育った環境により決まりそうだが、安藤教授)いわく、50%近くは、親から受け継いだ遺伝によるもので、それが行動に現れ、人生を左右するとのこと。

遺伝子が収入に与える影響

遺伝子が収入に与える影響 
出典:カズレーザーと学ぶ

上記のグラフは、年齢ごとにデータで出されたもので、就職する頃は、まだその人の遺伝的な素質は発揮されず、良い人脈を持っている親がいるかどうか等、家庭環境の影響が60%くらい関わってくるのですが、だんだんと自分の素質や才能をどこで使えるかに気付いていってそれが働き盛り、45歳あたりで発揮されてくるというデータが出ています。

40代頃の収入は、学歴よりも個人の能力の影響が強くなる傾向があります。

60%遺伝ということは、40%は環境なので、運でたまたま良い仕事に巡り合えたとか、芽が出ないなと思い転職して収入が上がるということもあるので、遺伝によって決まっている訳ではありませんが、努力するかしないかってことにも遺伝の影響があるかもしれないとのこと。

性格やセンスまで遺伝する秘密

結局、人間の思考やパーソナリティーを作っているのは脳で、顔と同じように、1人1人の脳の形は違っています。(下記画像参照)

下記の画像は、他人の脳のMRI(上部)と神経のつながり方(下部)です。

他人の脳のMRIと神経のつながり方
出典:カズレーザーと学ぶ

一方双子の兄弟を並べてみた画像、下記は一卵性双生児の脳のMRIと神経のつながり方の画像です。

一卵性双生児の脳のMRIと神経のつながり方
出典:カズレーザーと学ぶ

脳が同じだと、どんな友達を選ぶか、どんな人と結婚するか、どんな学校や職業を選ぶか、環境の選び方も似てくる。

その人が作りだしている環境も遺伝の影響を受けると言えます。

 

親から能力が遺伝する仕組み

遺伝という話になると、『うちの親は、○○だったから』という話になりがちなのですが、実は能力が高い人から高い人ができる、低い人から低い人ができるというだけではなくて、シャッフルしてバラつくとのこと。

昔、5人、10人沢山子供がいた時っていうのは、1組の親から本当に色々な子供が生まれるというのが分かっています。

兄弟でも身長が違ったり、顔つきが違ったり、性格も能力も違ってくきます。

例えば一番効いてくるのはIQなのですが、IQだけではなく、勤勉であるとか、先生とうまく良い関係を作れる等、それに関わっている遺伝子がたくさんあり、親が持っている様々な遺伝子の中のどういう組み合わせが出てくるか、ランダムに選ばれています。

どこに自分の才能が眠っているかというのは分からないとのことで、一生探し求める可能性はあるとのことです。

どの時代、どの文化に生まれたかによっても、才能が発揮されるかは変わってきます。

例えば、野球ですごい成績を残している方も、野球というスポーツがない時代や文化の元に生まれたら、野球での才能は発揮できません。

また、才能というと1人の人に宿った突出した能力と考えがちですが、人間というのは、協力し合って支え合っています。

例えば、大谷翔平さんは、野球という分野で活躍されていますが、大谷翔平さんの能力を伸ばすのに助けになった人達もそれぞれで才能を発揮されています。

そういう風に見てみると、案外、私たちは自分の才能を自分の居場所で発揮して生きていけるとのこと。

兄弟でも性格や能力がばらつくように、両親から受け継いだ要素の組み合わせで、生まれる子に無限のバリエーションがあります。

親にはない才能を発揮し得ると言えます。

ポリジェニックスコア

受精卵から才能を予測できるポリジェニックスコアについて、大阪大学データビリティフロンティア機構特任講師山本奈津子さんが講義してくださいました。

大阪大学データビリティフロンティア機構特任講師山本奈津子さんによると、受精卵の時点で、自分の才能を知り、人生を組み立てられる時代そんな時代がすでに到来しているとのこと。

膨大な数の他人の遺伝的特徴と比較することで才能を知ることができるとのこと。

それには、膨大な個人のデータが必要とのことで、イギリスの「UKバイオバンク」、中国の上海張江バイオバンクといったものがあり、医療の研究発展の為に国民の遺伝子データを収集保管する組織で、身体的特徴、健康状態、学歴なども保管されており、世界にはこういったバイオバンクというものがいくつも存在しています。

全て合わせると少なくとも500万人以上のデータは、収集されていて、これらの莫大で詳細な情報と、遺伝子データを照らし合わせて分析すれば、こういう才能がある人は、こんな遺伝子的特徴があるみたいなことを割り出すことができます。

例えば、足が速い人たちの遺伝子的特徴をたくさんの人を調べることで出てきます。

その遺伝子的特徴とどのくらい一致するかで、足の速い才能がどれくらいあるかを調べることができます。

理論的にはデータがあればどんな能力も計測可能といわれています。

遺伝子情報さえ集まれば、理論的には、医者や弁護士、パイロット、プロ野球選手等、様々な能力が測定できるポリジェニックスコアは、実際に2020年アメリカの研究者たちが行った調査では、110万人のデータを元に割り出した学歴のポリジェニックスコアにより、グループ分け追跡調査したところ、スコアの高い集団と低い集団で、明確な学力差が明らかになりました。

どの分野に才能があるかは、受精卵の段階で分かると言われてるポリジェニックスコアですが、今一番注目されている分野が、医療、健康の分野で、例えば、ガンになった人とそうでない人の遺伝子的特徴を比較することで、ガンのポリジェニックスコアを算出することができる様になっていて、乳がん等ガンごとに色々な研究がされています。

ガンだけではなく、脳卒中など不意に襲ってきて自覚症状がない等、早期発見は困難な疾患というものは、ポリジェニックスコアを知ることができれば、対策ができたりするのではないかと期待されています。

例えば、2017年にカリフォルニア大学の研究でアルツハイマーを発症する可能性のある遺伝的特徴、さらにどの年代で発祥したかというデータを細かく分析した結果、ポリジェニックスコアが高い人は、65歳くらいから認知症を発症する可能性が上がり始めて、80歳になると10%ぐらいの可能性があるということが分かりました。

発病の可能性を知ることで、詳細な人生設計が立てられます。

現在、遺伝子検査サービスということで、唾液採取などの検査から病気のリスクや体質の遺伝子的傾向を調べられるようになっています。

行動遺伝学者安藤寿康さん(慶應義塾大学教授)も遺伝子検査を受け、アルツハイマーのリスクファクターが高いという結果が出たので、周りの方に、『いつアルツハイマーになるか分からないよ』と言ってようじんしているとのこと。

(は私も下記の遺伝子検査を受け詳細のデータを手元に持っています。

気になる方は、下記を参照されて下さい。

  ↓  ↓  ↓

優秀な受精卵を選ぶ技術に揺れる倫理

既に、アメリカのLife View(ライフビュー)という会社で体外受精の受精卵を複数作り、ガンのリスクの少ないものを母体に戻すというサービスが行われており、このことが医師や科学者の間で物議を読んでおり、現在の技術の精度では選んだとしても誤差制度ではないかという意見もあるとのこと。

大阪大学データビリティフロンティア機構特任講師山本奈津子さんによると、自分で自分を知るということであれば、その方が幸せかどうかで決めればいいのですが、他人が知った時にどうなるか? 

そして誰が、遺伝子情報を管理するのか?ということを考えると、やはり危ない世界にはなるかなとは思いますとのことでした。

ゲノムモンタージュ研究

血液一滴から顔を再現!? ゲノムモンタージュ研究について、琉球大学大学院医学研究科教授木村良助さんが講義してくださいました。

一卵性双生児が、ほぼ同じ顔になるということはご存じだと思いますが、そういった意味でも、顔というものは、ほぼ遺伝で決まっていると言っても過言ではないとのこと。

下記画像は、The Face of Litter (ごみの顔プロジェクト)といって、2015年に香港の非営利団体が、ポイ捨て防止の為にゴミを捨てた人の顔をポスター化して掲示したもので、このポスターの顔は、実際にポイ捨てされたタバコに付着したDNAから顔を復元したもので、悪いことをしても分かりますよという注意喚起のために使われました。

下記の画像は、1992年にアメリカで起きた殺人事件の犯人の顔で、左がDNAによって復元された犯人の顔、右が実際の犯人の顔です

事件発生から25年後の2017年に現場に残されていた犯人のDNAからゲノムモンタージュを作成し、一般公開したところ、多くの情報が集まって、犯人逮捕につながりました。

世界では、このようなゲノムモンタージュという技術が進んでいます。

ゲノムモンタージュ
出典:カズレーザーと学ぶ

アメリカでは、2015年からゲノムモンタージュを犯罪捜査に導入多くの事件に関与し成果を上げています。

受精卵の段階で大人になった顔も分かると言われており、今後、サンプルデータが増えれば、より精度は上がると考えられています。

どのように顔を再現しているのか

顔を再現するためには、顔の形状を数値化する必要があり、ハンディー型の3Dスキャナーでデータ化した3D モデルに、数千以上の特徴点を打ち、顔面の形状を数値化、数千人分の顔データとDNAを照らし合わせ、どの遺伝子が顔のどのパーツに影響を与えるのかを調べることで、逆にDNAから顔の形状を予測し再現できるようになります。

そっくりさんのDNAも似ているのか?

2022年スペインの研究チームがそっくりな32組のペアのDNAを分析し顔面の形状に関わる遺伝子の共通点が多いことが分かりました。

たまにしか似ている人がいないってことは、人の顔はすごく多様化しているということなのですが、なぜこんなに人の顔は多様化しているのでしょうか?

人というのは社会性の動物で、顔をコミニュケーションツールとして使う生物で、他者の表情から感情を読み取ります。

さらに配偶者を選ぶ時にすら顔を重要視します。

そんなことをしている動物は他にいません。

社会生活を営む上では、皆同じ顔だと区別がつかなくなるので、顔は多様化している方が都合がよいのですが、なぜ顔が多様化したかは、進化の謎でまだ解明されていません。

他人同士でも、顔が似ている人は遺伝子の共通点が多いとのことが分かりました。

まとめ

今回の記事では、2023年1月10日の『カズレーザーと学ぶ』で放送された、遺伝子と才能をまとめました。

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