2022年8月16日にテレビ朝日系列『林修のレッスン今でしょ(林修の今でしょ!講座)』で放送された 夏の正しい食品保存術 味噌汁・カレー・おにぎり・食パン・調味料などの保存方法を紹介します!
今回のレッスン今でしょでは、猛暑続く8月16日以降の食中毒から身を守るための「正しい食品保存法」が特集されました。
2日目のみそ汁・カレー やりがち…危険な食べ方とは?
台所に○分以上放置で危険…菌対策の新常識を学びます。
おにぎり長持ちテク&食パン保存法、みそは冷凍!?醤油は?七味の保存なども。
この記事では、味噌汁・カレー・おにぎり・食パンなど夏の正しい食品保存方法をまとめます!
正しい食品保存方法
猛暑が続く今知っておきたい正しい食品保存方法を伝授!
気候が違う今と昔では、食品保存術も違う⁉︎
計100時間以上、12個の実験を行った結果わかった正しい食品保存術をまとめます。
味噌汁の保存方法
30度超えが続く今、常温で味噌汁を保存するのは危険です。
キッチンで放置した味噌汁は?
味噌汁を30℃のキッチンで保存した場合(常温保存)と、4℃の冷蔵庫で保存した場合(冷蔵保存)を比較実験。
2時間ごとに菌の数を確認したところ…
4℃で保存した味噌汁(冷蔵保存)⇨8時間後もほぼ菌の量は変わらず、300以下(体に無害な数)
朝作った味噌汁を夜飲むのはNG!という結果となりました。
6時間以上常温で置いた味噌汁は、食あたり・食中毒の原因になるので、飲まない方が良いそうです。
食中毒の原因はウェルシュ菌という菌で、もともと肉、野菜、魚などの食材についています。
放置することで菌が増えるため、食中毒のリスクが一気に高まります。
冷房がついていても台所の中まで温度は下がりにくいため、NGです。
Q.加熱しても菌は死なない?
ウェルシュ菌はどれだけ加熱しても死なないのが特徴です。
ウェルシュ菌は100℃で4時間加熱しても、耐熱性のバリアを張って身を守り死にません。
そのため加熱しても食中毒のリスクは下がりません。
匂いや見た目は変わらないため、それだけで判断するのはNGです。
味噌汁の粗熱とりの方法 フライパンでたった2分!
味噌汁の粗熱を取るには50分ほどかかりますが、フライパンを使えばたった2分で完了します。
⒈フライパンの上に氷または保冷剤を置く
⒉味噌汁の鍋を置いたら、水を注いで周りを氷で固める
⒊2分ほどかき混ぜながら粗熱を取る
<point>鍋の下にも氷・保冷剤を置くこと
味噌汁で雑菌を増殖させないポイント
味噌汁で雑菌を増殖させないポイントは次の2点です。
・食べ終わったら粗熱を取り、すぐに冷蔵庫に保存する。
カレーの保存方法
カレーは放置しておくと、味噌汁の3倍も雑菌が増えるそうです。
カレーは8時間で菌が1400倍に増殖!
カレーは8時間で菌(ウェルシュ菌など)が1400倍に増殖します。
ウェルシュ菌は約40〜45℃で急激に増殖し始めます。
カレーを再加熱することで、再び40〜45℃になりさらに菌を増やしてしまいます。
30℃で保存した味噌汁とカレーの菌の数を比較したところ、24時間後にはカレーの菌の数が味噌汁の約3倍以上に増えました。
8時間後から食あたりや食中毒を起こす菌数になっているため、常温保存で一晩寝かせるのはNGです。
夏場は水を飲み過ぎると食中毒のリスクが上がる⁉︎
夏場は水を飲み過ぎると食中毒のリスクが上がると言われています。
胃酸の強い酸で通常のバイ菌は死滅します。
なぜ味噌汁よりカレーの菌が増えやすい?
カレーはドロドロしているので、菌が増えやすい約40℃が長く続きます。
そのため味噌汁よりも菌が増えやすくなります。
またウェルシュ菌は酸素に弱いという性質があります。
カレーの中はドロドロしているため、混ぜても空気に触れづらく、菌が増えやすくなります。
大量に作ったカレーの保存法
余ったカレーの正しい保存法を教えてくれました。
⒉手で触れられるくらい冷めたら、冷蔵庫に入れる
冷蔵保存したカレーはどれくらい持つ?
30℃で常温保存したカレーと4℃で冷蔵保存したカレーの菌の数を比べたところ、常温保存のカレーは食中毒を起こすレベルの菌が発生したのに対し、冷蔵保存したカレーは24時間たっても問題ないレベルの菌しか増えませんでした。
専門家によると、冷蔵保存なら2〜3日以内は食べても大丈夫とのこと。
カレーは何度も温めると温度や蓋についた水滴のせいで菌が増殖しやすくなるため、食べる分だけ温めるのがおすすめです。
カレーの具材がない方が菌が増殖しにくくなるため、焼いたり蒸したりした野菜や肉をトッピングするのが良いそうです。
ペットボトルの保存方法
ペットボトル飲料は口をつけると口の中の雑菌が飲み物に入ってしまい、放っておくと雑菌が増殖してしまいます。
雑菌が大量に増えると、腹痛・嘔吐・食中毒などの原因になり、体調を崩す可能性があります。
飲みかけのペットボトル、いつまで飲んでも大丈夫?
飲みかけのまま放っておくと1日で雑菌の量が75倍に!
口をつけた水、緑茶、麦茶、スポーツ飲料、オレンジジュースを30℃で保存して、どれだけ菌が増えるか2時間・4時間・8時間・12時間・16時間・20時間・24時間で雑菌の数を測定する実験をしたところ…
スポーツ飲料は菌の数がほぼ0になったのに対し、16時間後には麦茶・緑茶の菌数がほぼ10倍以上、24時間後には麦茶の菌数が75倍に増えました。
麦茶の原料は大麦なので、炭水化物が雑菌の栄養になり増殖しやすいそうです。
ペットボトルの雑菌を増やさない方法
ペットボトルの雑菌を増やさないためには、口をつけないのが重要です。
直接口をつけずコップを使って飲むのが一番の解決方法になります。
外で飲む場合は、保冷できる水筒に入れて持ち運ぶのが安全です。
菌が増殖しやすい温度は35℃前後と言われています。
オフィスや教室では、保冷できる水筒に入れて保存するのが効果的です。
飲みかけのスポーツ飲料はなぜ雑菌が減少した?
今回の実験では、スポーツ飲料は菌が減少するという結果になりました。
菌は強いアルカリ性・酸性の中では増殖できないため、酸性のスポーツ飲料では菌が増えなかったと考えられます。
緑茶には殺菌作用のあるカテキンが含まれますが、原料の茶葉に含まれる炭水化物を栄養に雑菌が増殖したそうです。
オレンジジュースは麦茶、緑茶よりも菌が増殖しませんでしたが、オレンジジュースが酸性のため雑菌の増殖を抑えたと考えられます。
水は栄養があまりないため、菌がそれほど増えることはありませんでした。
スポーツ飲料・水は1日経って飲んでも大丈夫?
今回の実験ではスポーツ飲料・水は1日経って飲んでも大丈夫な菌数でしたが、口の中に菌が多い方や菌の種類によっても増殖の量が異なってくるため、1日経っても飲んで大丈夫とは断言できません。
おにぎりの保存方法
今月ある小中学生グループが朝作った手作りおにぎりをお昼に食べて、嘔吐などの体調不良を起こすというニュースがありました。
おにぎりは昼まで食べて大丈夫?
おにぎりは素手で握っても大丈夫?
Q.朝おにぎりを直接素手で握り、30℃越えの日中に持ち歩き昼に食べても大丈夫?
黄色ブドウ球菌で起こる食中毒の4割が、おにぎりで起きています。
素手でおにぎりを握る時は、手をしっかり2度洗いOR1度洗ってアルコール除菌する!
海苔を巻くタイミングは?
海苔はすぐに巻くのと、食べる直前に巻くのでは、どちらの方が菌が増えにくいのか実験したところ…
おにぎりの菌の数(素手で握って30℃で保存)は、海苔をすぐ巻いた方は開始時の320倍(96,000個)まで増えました。
海苔を直前に巻く方のおにぎりは、3時間後に500倍(170,000個)に、6時間後には菌の数が490,000個まで増えてしまいました。
すぐに海苔を巻いたおにぎりの方が、菌の増殖が抑えられるという結果に。
おにぎりを海苔で巻くことで水分を吸収し、おにぎり自体の水分量が低下したため、このような結果になったと考えられます。
ただし6時間以上経つと海苔の栄養素がご飯に溶け出し、菌の増殖が活発になる可能性があるため、注意が必要です。
長持ちするのはラップ?アルミホイル?
おにぎりが長持ちするのはラップ?アルミホイル?
30℃で2時間ごとに菌の数を測定したところ…
4時間後までは菌の数はほぼ同じでしたが、6時間後にアルミホイルの方が菌の数が増加しましたが、8時間後にはラップの菌の数が一気に増加しアルミホイルの4.5倍になりました。
アルミホイルは金属イオンが出るため、菌を抑えた可能性があるそうです。
お弁当の保存方法
お弁当のおかずで傷みやすいものとは?
食材の種類、調理法により菌の増え方が違うそうです。
卵焼きはたった6時間で食中毒注意レベルまで菌が増殖!
お弁当を30℃で保存し、6時間後にどれくらい菌が増えるか実験しました。
卵焼きの菌の数はお弁当を作った直後10,000ほどでしたが、6時間後には91,000個に!
食中毒の注意レベルは10万個と言われており、9万から10万個に一瞬で増えることもあるため、卵焼きは6時間で食中毒注意レベルとなってしまいました。
卵が半熟だと菌が死滅せず増殖しやすくなります。
食中毒の原因になるサルモネラ菌は牛・豚・鶏などの消化管に住んでいて、嘔吐・腹痛・下痢などの症状を起こします。
サルモネラ菌は加熱すれば死ぬ(75℃以上で1分以上加熱)ので、普段から気をつけて火を通す!
注意すべきお弁当はどっち?
Q.注意すべきお弁当はどっち?
A:ハンバーグ・ミニトマト・ポテトサラダ・ひじきの煮物
B:唐揚げ・ウィンナー・パプリカ炒め・ブロッコリー
正解:A
・ポテトサラダに入った生野菜は塩分で水分が出やすいため注意が必要!6時間後には菌の数がおよそ76倍に!
・ヘタつきミニトマトはヘタに菌が残りやすく、弁当箱の中で増殖してしまう可能性あり。実験では菌の数が7倍に!
・ひじきの煮物は前日に作り置きしている場合が多い。前日の残り物・作り置きおかずをお弁当に使うのは注意が必要!
残りものをお弁当に入れる方法は?
残りものは冷蔵保存しても菌がゆっくり増殖しています。
残りものをお弁当に入れる場合は、再加熱すれば食中毒を起こす菌の数を大幅に減らすことができます。
お弁当の菌の増殖を防ぐ食材
Q.お弁当の菌の増殖を抑える食材は?
梅干し:酸が強いので菌の増殖を抑える
2つのお弁当を30℃で保存したところ、梅干しなしのお弁当は6時間後菌の数が7,000に増えたのに対して、梅干しありのお弁当は6時間後310(開始時300)とほぼ変わりませんでした。
ただし、効果があるのは梅に接している部分だけなので、刻んで混ぜると全体が傷みにくくなります。
おかずの味付けにカレー粉:傷みにくくする効果が期待できる!
カレーの場合放置すると菌が増殖しやすいですが、カレー粉単体では菌の増殖を防ぐ効果が期待できるそうです。
醤油味の唐揚げと、カレー味の唐揚げを30℃で6時間放置したところ、醤油味は菌の数が300→5,000に増えたのに対し、カレー味は300未満のままの状態をキープできました。
カレー粉の含まれるクルクミン(ターメリック・ウコンの成分)は、優れた防腐効果があります。
・鮭などのフライの衣に混ぜる
・きんぴらを痛めるときに振って全体に混ぜる
パンの保存方法
30℃超えの今、パンの常温保存は危ないそうです。
食パンの常温保存
食パンを開封後、30℃で3日間保存する実験では…
見た目の変化はほぼなしでしたが、菌の数が300→200万に!
菌数は食あたりなどの危険性があるレベルです。
食パンの冷凍保存方法
小麦粉に含まれるでんぷんは、0〜4℃になるとぱさついて食感が悪くなります。
そのため食パンは冷凍がおすすめです。
食パンを冷凍→水分が変化→パンに水分を留める(パンのパサつき防止に!)
⒈アルミホイルに食パンを1枚ずつのせ、アルミホイルを折りたたんで包む
⒉オーブントースターで包みを開いて焼くと、カリカリ食感に!包んだまま焼くともちもち食感に!
調味料の保存方法
調味料によっては、夏場冷蔵や冷凍で保存したほうが良いものもあります。
醤油の保存方法
醤油は冷蔵保存するのがおすすめです。
開封前は常温で大丈夫ですが、暑い時期に常温保存すると色や味に変化がでてきます。
温度が低く酸化が起きにくい冷蔵庫で保存しましょう。
密封ボトルの場合は、夏場でも常温保存で問題ありません。
味噌の保存方法
味噌は冷凍保存するのがおすすめです。
夏場冷蔵室で保存すると、ドアの開け閉めで温度が下がり、品質が低下する原因に。
塩分が多く含まれる調味料は冷凍しても凍らないため、味噌はすくって使えます。
唐辛子の保存方法
唐辛子は冷蔵保存するのがおすすめです。
夏場唐辛子は暖かい空気に触れると、色が落ちたり辛みが抜けたりします。
うどんに七味をかける場合、湯気が出ているうどんの上からかけると蒸気が入って傷む原因に。
スプーンにとってかけると傷みにくくなります。
まとめ
『林修のレッスン今でしょ(林修の今でしょ!講座)』で放送された 夏の正しい食品保存術 味噌汁・カレー・おにぎり・食パン・調味料などの保存方法をまとめました。
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