2020年2月4日の『名医とつながる!たけしの家庭の医学』では、『冬の突然死を防ぐSP』が放送されました。
この記事では、生死を分ける分岐点とは?名医の症例ドラマ③ 日本人の突然死で最も多い『心臓の病』についてまとめます。
突然死の最大の原因!40%が死に至る心筋梗塞
最後は日本人の突然死で最も多く、40%が死に至る心筋梗塞の症例ドラマ③です。
高畑真美さん(62歳・仮名)は心筋梗塞を発症し、突然死を回避できた一人です。
心筋梗塞で倒れ意識不明になり死んでもおかしくない状態でしたが、普段していたある事のおかげで一命を取り留めました。
心筋梗塞のサインとは?
今から3年前、真美さんが59歳の頃、グループホームで介護ヘルパーをしていました。
施設内を走り回る毎日、他のスタッフのサポートもこなさなければなりませんでした。
そんな真美さんの楽しみは、25年前に離婚して以来1人で育ててきた娘、かえでさんにカチカチに凝った肩を揉んでもらうことでした。
病のサイン① 首の付け根に痛みを伴うコリ
ある時真美さんは、いつもの肩こりとは違う感覚を感じたのです。
病のサイン② 右胸に締め付けられるような痛み
さらにいつものように仕事していると、今度は右胸に締め付けられるような痛みを感じるようになったのです。
しかし数十秒じっとしていると、痛みは自然と消えていきました。
真美さんは4年前に乳がんの切除手術を受けており、その古傷のせいだと思い込んでいました。
これこそが突然死を招く心筋梗塞が体の中で目覚め始めた瞬間でした。
生死を分けた分岐点① コレステロール値を放置
真美さんは健康診断の結果で、悪玉コレステロール値が基準値オーバーしており、要再検査になっていました。
近所の内科クリニックを訪れると「女性の場合、閉経後コレステロールの値が高くなる場合があります」と言われ、コレステロールの値を下げる薬の治療を勧められます。
実は10年前もコレステロール値が高いと指摘されていましたが、そのまま放置していました。
今回も真美さんは薬での治療はちょっと…ということで食事療法で治療することになりました。
とはいえやる気のない食事療法でした。
病のサイン③ 感じたことのない動悸と息切れ
真美さんは仕事中、今まで感じたことのない動悸と息切れを体験します。
病のサイン③ 感じたことのない動悸と息切れ
しかし「年のせい」だと思い、しょうがないとスルーしてしまいました。
自分の心臓の血管が恐ろしい速さで詰まり始めていたのですが…
忙しい真美さんのお昼休みは30分ほどで、サンドイッチやお弁当を大急ぎで食べるのが習慣になっていました。
実は早食いも心筋梗塞のリスクになっていたのです。
生死を分けた分岐点② 仕事のストレス・睡眠不足も心筋梗塞のリスク
この頃インフルエンザで休んだスタッフの代わりに仕事をするなど、6時から20時頃まで連日働くようになっていました。
病のサイン④ 目がさえてなかなか眠れない
すると身体はつかれているはずなのに、布団に入って30分たっても目がさえて眠れないのです。
仕事のストレス・睡眠不足も、心筋梗塞のリスクを高めていました。
生死を分けた分岐点③ 痛みを我慢してしまった
真美さんは早番で出勤し朝食を食べていた時、突然胸を締め付けられるような痛みに襲われます。
病のサイン⑤ 息苦しさを伴う激しい痛み
わずか数十秒で油汗が吹き出し、胸の痛みと息苦しさが治まらないのです。
横になっても油汗は止まらず、食べたものを吐いてしまいました。
病のサイン⑥ 胸がむかつき食べたものを戻す
しばらく休むと胸の激痛は少しだけ治まってきました。
そこで病院へ行かず帰宅して休むことに。
これが生死を分ける最後の分岐点でした。
一般的に男性よりも女性の方が痛みに対して強く、我慢してしまうことが多いのです。
痛みが起きた時に病院へ行けば、突然死を防ぐ確率は低くなるというのに…
家に帰っても嘔吐と下痢を繰り返し、発作が起こって12時間後、娘さんが帰ってくると真美さんの顔色は死人のようになっていました。
病院へ緊急搬送された真美さんはMRIなど心臓の検査が行われ、心臓の冠動脈のうち1本が詰まっていることが判明しました。
冠動脈が詰まる⇒数十分で心臓が壊死し新機能が低下⇒突然死のリスク大
しかし真美さんの心臓は、心筋梗塞を発症して12時間後も壊死していませんでした。
予備の細い血管が詰まった冠動脈をカバーしていたため、心臓に血液が送られ壊死せずにすんだそうです。
自然のバイパス(側副血行路)ができていたことで、命を落とさずに済んだのです。
生死を分けた普段の行動とは?
真美さんは常に早食いをしていたことで、心筋梗塞のリスク・食後高血糖になっていました。
そのため彼女の血管には常にコレステロールと糖があふれかえっている状態に。
コレステロール・糖があふれる⇒血管の壁に入りコブを形成⇒冠動脈の流れが悪く栄養が運びづらい
という状態が続いていました。
するとその危機的状況を察知した他の冠動脈から栄養不足を補うため、予備の血管が生えてきたと考えられるのです。
運命の日冠動脈の1本が完全に封鎖されましたが、予備の血管が血液を送ることで心臓が壊死しませんでした。
なぜ彼女には予備の血管が存在したのでしょう?
⇒一日中速足で歩き回っていた
1万歩くらいの有酸素運動を行うなど筋肉トレーニングによって、側副血行路が発達したと考えられます。
突然死を回避する近道
真美さんの場合、少ないときで7000歩、多いときは1万歩は歩いていたそうです。
突然死を回避するには、日々の地道な運動が一番の近道ということです。
今回の症例を参考に、健康を維持していきたいですね。
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