2020年3月7日の『世界ふしぎ発見!』では、ミステリーハンターが選ぶ台湾遺産ベスト10が紹介されました。
現在世界遺産条約を締結していない台湾には世界遺産が0ですが、世界遺産級の自然や歴史的建造物がたくさんあります。
今回台湾遺産をチョイスしてくれてのは、世界遺産検定1級を持つミステリーハンターの中山さんです。
この記事では、番組で紹介された台湾遺産をまとめます!
圓山大飯店の秘密の部屋
デラックスホテルとして知られる台北の圓山大飯店の地下には、普段入ることができない秘密の部屋があります。
このホテルの最上階には蒋介石の執務室があったそうで、地下通路に滑り台が用意されていました。
1970年代に有事の際に逃げ出せるよう、作られたと言います。
巷の噂では、地下通路は空港へつながっているとのこと。(ホテルの方は伝説と言っていました。)
去年から一般公開が始まっており、3か月で5万人が訪れたそうです。
国立故宮博物院
国立故宮博物院は世界4大博物館の一つに数えられ、およそ70万点近くのコレクションが収蔵されています。
中でも最も有名なのが、玉髄を豚の角煮に似せて加工した肉形石です。
かつては北京の紫禁城の皇帝の部屋に飾られていました。
十分の天燈
旧暦1月15日に十分で行われる天燈(ランタン)祭り。
無料チケットは10時から配布して、昼にはなくなってしまうそうです。
熱気球のようなランタンはもともと敵の襲撃を知らせる道具でしたが、いつしか願い事を書いて空に放つようになりました。
夜7時に始まるお祭りでは、無数のランタンが空を舞います。
台湾のグランドキャニオン・太魯閣国家公園
太魯閣(タロコ)国家公園は東西41㎞南北38㎞にわたって広がる渓谷です。
何万年もかけて浸食された大理石が織りなす、台湾最大の景勝地です。
1日の入場数が制限されている錐麓古道は、海抜200mから700mまでのぼる山道です。
この地域で暮らしてきた太魯閣族の子孫が、ガイドをしています。
古道には台湾桜もあり、戦前は日本人の駐在所跡もありました。
絶壁を沿うように走る道を、ミステリーハンターの中山さんは台湾の『恐怖遺産』と名付けました。
北投温泉
北投(ベイトー)温泉は台湾の箱根ともいわれる温泉街で、日本統治時代に温泉文化が根付いたそうです。
北投温泉のある施設では、日本情緒があると好評な人工雪を降らせるサービスを行っています。
実際は雪ではなく泡ですが、めったに雪が降らない台湾で風情ある景色を楽しめます。
変わった建造群
台湾は今建設ラッシュで、変わった建造物が続々と誕生しています。
全体がねじれているような陶朱隠園は2018年竣工の高級マンションで、販売価格は1部屋66億円とのこと。
完成すれば、自家用車に乗ったまま部屋へ行けると言います。
台中には高跟鞋教堂(ハイヒール教堂)という高さ17mの教会もあります。
台中国立歌劇院は様々な舞台が上演されるオペラハウスで、人の耳をイメージし曲線を描いたような作りになっています。
彩虹眷村(お爺ちゃんアート村)
彩虹眷村は98歳のお爺ちゃん・黄さんが描いたアート村で、虹の村と呼ばれて人気を集めています。
ここは退役軍人が暮らす宿舎でしたが、10年ほど前再開発で取り壊されることが決まりました。
そこで黄さんは89歳から絵を描き始め、SNS映えするパワースポットと呼ばれるようになり、再開発は中止されたそうです。
台北 迪化街のレトロ建築
台北 迪化街(てきかがい)はおしゃれなレトロ街として人気を集めています。
日本統治時代に開発された問屋街で、上野アメ横や浅草かっぱ橋のようなエリアだそうです。
古い米倉庫を改装した稲舎では、美味しいお米の定食がいただけます。
30代から40代の人は学校で中国の歴史しか教えられていないため、こういった古いエリアは台湾のルーツを知るきっかけになるんだそうです。
SNSで『老屋顔』というアカウントでレトロ発見隊として活動している方々が、台湾のレトロ建築について教えてくれました。
台湾で鳥は家内安全の象徴とされており、縁起の良い生き物と言われています。
レンガ造りの建物の壁にも鳥踏(ニャオター)と呼ばれる雨除けがあり、鳥に立ち寄ってもらいやすいように付けられていたそうです。
台南 奇美博物館
台南にはヨーロッパの宮殿のような建物があります。
建物の前にはベルサイユ宮殿のアポロンの泉に似た噴水も!
その正体は台湾の実業家・許文龍さんのコレクションが集められた奇美博物館でした。
展示されている芸術品はすべて本物で、古代から現代まで1万2千点の作品を見ることができます。
博物館のひとつの目玉は、オーギュスト・ロダンの『考える人』です。
日本統治時代に育った許文龍さんは、小さなころ家の近くにあった博物館へよく通ったそうです。
自分も大人になったら海外の文化を学べる博物館を作りたい!という夢を抱き、その夢を実現しました。
すべての始まりは日本人が建てた博物館にあったというのも、嬉しいですね。
烏山頭ダム
八田與一さんは台湾で最も愛される日本人です。
八田與一さんは烏山頭ダム(うざんとうだむ)を作り、台湾を豊かな土地に変えた人と言われています。
台湾中部はかつて干ばつと水害で穀物が育たない不毛の地でした。
八田さんは山をくりぬき3㎞離れた阿里山から水をひき、1930年にダムを完成させました。
嘉義大学(嘉農)
ダム建設中に日本人が台湾へ伝えたスポーツが野球です。
嘉義大学の前身である嘉義農林学校、略して嘉農(KANO)は、1931年甲子園大会に初出場しています。
決勝戦まで勝ち進み、大ブームを巻き起こしました。
その実話は6年前『KANO 1931海の向こうの甲子園』として映画化され、歴代6位の大ヒットを記録しました。
日本人の近藤監督率いる嘉農は、日本人・台湾人・少数民族の団結を象徴する存在でした。
その後戦争が激化し甲子園出場は断念せざるを得ませんでしたが、2018年に当時のOBが甲子園へ招待され夢をかなえたそうです。
まとめ
台湾には日本とのつながりが感じられるスポットが多くて、どの台湾遺産も訪れてみたくなりましたね。
台湾を旅行するなら、ぜひ今回の台湾遺産を参考にしてみてはいかがでしょう。