2020年1月23日のテレビ東京系『主治医が見つかる診療所』では、『一生認知症にならないための脳育SP』が放送されました。
脳の萎縮の原因は、脳のゴミだった⁉脳を若々しく保つ秘訣とは?
この記事では、番組で紹介された『名医が教える認知症の5大予防法』をまとめます!
認知症とは?
認知症とは正常だった記憶や知能などが低下し、日常生活に支障をきたす状態のことを言います。
認知症といっても、脳の神経が死ぬタイプや脳の血管に異常があるタイプなど種類は様々。
中でも脳の神経細胞が死んでしまうアルツハイマー型(全体の6割以上)が多く、85歳以上になると2人に1人が認知症にかかっているというデータも。
ところが認知症は、高齢な人だけが気を付けるべき病気ではありません。
今では20~30代から認知症対策が必要と言われています。
認知症は一度かかると治らないと言われていましたが、最新の研究では脳にある方法で刺激を与えれば、回復する可能性があることがわかってきました。
認知症にならないための裏ワザを見ていきましょう!
認知症の原因となる脳のゴミとは?
認知症になるのは、大きく2つの原因があると言われています。
1つ目は『脳のゴミ』と呼ばれるものです。
脳のゴミとはいったい何なのでしょう?
教えてくれたのは、新潟大学脳研究所教授 池内健先生。
日本人に発症する認知症が、日本人にしかない遺伝子の変異が原因の1つであることを、世界で初めて発表した研究チームの一人で、まさに認知症研究の権威です。
脳のゴミは、話す・見る・考えるなど、私たちが普段日常生活を送っているだけでも発生してしまう物質です。
このゴミがたまりすぎると脳の細胞が破壊され、アルツハイマー型認知症を発症してしまうそうです。
脳のゴミはアミロイドβと呼ばれるたんぱく質の一種で、認知症にならないためにはこの物質をため込まないことが重要なのです。
私たちは脳のゴミを脳脊髄液へ流して分解する処理能力を持っているのですが、加齢によって処理能力が低下してくるとゴミが徐々にたまっていくそうです。
すると脳細胞を破壊しはじめ、認知症を発症してしまいます。
80歳を超えると約4人に1人、85歳以上になると2人に1人が認知症を発症しているのです。
Q. 脳のゴミは認知症を発症する約何年前からたまり始めるでしょう?
⇒20年前から
つまり70歳で認知症を発症した人は、50歳ごろから脳のゴミがたまり始めていたのです。
【認知症の落とし穴】
「高齢になってから気を付けらばいい」は大間違い
『認知症予防=すべての世代に必要!』というのが、認知症予防の新常識なのです。
脳のゴミは検査で確認できる!
脳のゴミは以前は患者さんが亡くなった後、解剖するしか調べることができませんでしたが、今では次の検査で確認できるようになっています。
【MCIスクリーニング検査】
脳のゴミを排出する時に出る特別な物質の量を測定し、MCI(認知症の前段階)のリスクを調べる
この数値が0.72以上になると、認知症を発症する中程度のリスクがあるということになります。
ゲストの2人が実際に検査を受けたところ、次のような結果になりました。
市川右團次さん…0.31
松本明子さん…‥0.63
お二人とも正常範囲に入っているので、現時点ではあまり心配ないとのこと。
脳のゴミがたまる原因は?
脳のゴミがたまる原因は、主に2つあります。
●運動不足
アメリカ東部で行われた研究によると、認知症の有病率が下がっているという報告があります。
その理由は運動習慣を持つことを、国をあげて推奨しているという取り組みがあるからだそうです。
●悪い睡眠
人は睡眠中に脳脊髄液の量が増え、脳のゴミを押し流していることがわかっています。
良い睡眠をとることが、脳をキレイに保つカギとなるのです。
認知症予防法1.寝る前に体を温めてから眠る
スペインのマドリード大学病院の調査で65歳以上男女3286名を3年間追跡調査したところ、認知症のリスクが一番低くなる睡眠時間がわかったそうです。
理想の睡眠時間は約7時間で、6時間以下だと認知症リスクが1.36倍にあがってしまったそうです。
また8時間以上の睡眠時間の人もリスクが1.27倍となり、長すぎる睡眠もよくないことがわかりました。
ただ寝るだけではなく、ぐっすり眠ることも重要だそうです。
【脳のゴミを流すためのポイント】
睡眠時間 + 睡眠の質
池内先生が実践しているのは、寝る約1時間前にぬるめの風呂(38~40℃)に入ることだそうです。
私たちの体は夜になると自然と体温が下がり、その作用で眠気がくるようになっています。
現在不規則な生活やスマートフォンの普及などで、夜自然と体温が下がらない人が増えているそうです。
そこで寝る前にぬるめの風呂で体を温めることで、入浴後体温が下がりはじめぐっすり眠れるようなります。
Q.睡眠時間が取れない場合は?
⇒休みの日に寝だめをするのではなく、短時間の昼寝(30分程度)をするのがおすすめ
名医が実践しているぐっすり眠るための習慣
●自分がリラックスできることをする
札幌禎心会病院の上山博康先生は、本を読むなど自分の楽しい趣味に関することをしてリラックスするようにしているそうです。
●スマホ・パソコンを見ない
イシハラクリニックの石原新菜先生は、寝る1時間前に間接照明に切り替えてスマホやパソコンを見ないようにするそうです。
暗くなると脳からメラトニンが分泌され、眠りを誘います。目から入る刺激が強いと、メラトニンが分泌されづらくなるそうです。
●少量のアルコールを飲む
石原先生が実践しているもう1つの方法は、眠る前に少量の赤ワインを飲むことだそう。
適量の飲酒は、アルツハイマー型認知症のリスクを下げることがわかっています。
ビール⇒中ジョッキ1杯
日本酒⇒半合
赤ワイン⇒グラス1杯
●寝る前にホットドリンクで体を温める
秋津医院の秋津先生のおすすめは、寝る前に気に入ったホットドリンク(ホットミルクなど)を飲むことだそう。
寝る前に入浴できない人も、ホットドリンクで体を温めることで同じような効果が得られます。
松本明子さんに2日に渡って寝る前の風呂&ホットドリンクを実践してもらったところ、体温は次のように変化しました。
風呂へ入浴前(36度4分)⇒入浴後(36度5分)⇒1時間後(36度3分)
ホットドリンクを飲む前(36度2分)⇒飲んだ後(36度5分)⇒1時間後(36度2分)
どちらもぐっすり眠るのに効果ありでした。
質の良い睡眠が重要
脳のゴミをためないためには、まず質の良い睡眠をとることが重要だとわかりました。
次のページでは、脳のゴミを流すことが期待できる食材についてまとめます↓