2025年5月22日にテレビ朝日系列『林修の今知りたいでしょ』で放送された、全国の先生300人が選ぶ、今行ってほしい美術館博物館ランキングベスト10結果についてまとめます!
今回の今知りたいでしょ!では、全国の先生300人に調査した、勉強になる美術館・博物館をランキングで発表!
モネの「睡蓮」や教科書に載っている国宝が見られる美術館や、日本画のような日本庭園が広がる美術館、葛飾北斎の知られざる傑作が見られる美術館、3000年前のミイラを展示する博物館などが登場!
今行ってほしい美術館博物館ランキングBEST10に選ばれた施設を紹介します。
※ランキングは随時更新中です。
今行ってほしい美術館博物館ランキングベスト10
全国の先生300人が選んだ、今勉強になる美術館、博物館のランキングを発表!
第10位 鉄道博物館(埼玉県)
第10位 鉄道博物館(埼玉県)
蒸気機関車、ディーゼル機関車、新幹線など、日本の鉄道技術と歴史を学べる名車両がずらりと揃っています。
ミニ運転列車など、体験型の乗り物もあります。
国指定重要文化財のED40形電気機関車(1921年)、ナデ6110形電車(1914年)など名車両が展示されていますが、中でもおすすめの名車両がこちらです↓
- クモハ101形電車:1950年代に登場した通勤電車。混雑緩和のため、椅子の座面の奥行きが6cm狭く、背もたれの角度が急になってました。
- 国鉄時代のC57形蒸気機関車(135号):国鉄最後の蒸気機関車。動輪を大型化することで、最高速度約95kmに!
第9位 京都国立博物館(京都府)
第9位 京都国立博物館(京都府)
1897年(明治30年)開館。収蔵品数1万5000件。
京都市東山区、三十三間堂のすぐそばにあります。
今なら、大阪関西万博に合わせ、国宝19件を含む200件もの文化財の特別展を開催しています。
- 五智如来坐像:平安時代(851〜854年)に造像。
- 十八羅漢坐像のう羅怙羅尊者(らごらそんじゃ)像:1664年造像。胸から仏様の顔がのぞいています。誰の心にも仏は宿っていることを表現。
- 風神雷神図屏風:江戸時代の天才絵師・俵屋宗達が描いたとされる。風神雷神の独特の浮遊間を、たらしこみ(墨が乾かないうちに濃度の違う墨をたらし、独特のにじみを表現する)・構図の工夫(雷神を少し上に描き、雷神の太鼓が画面からはみ出ているなど)で表現している作品。
第8位 足立美術館(島根県)

第8位 足立美術館(島根県)
島根県安来市にある足立美術館は、地元の実業家・足立全康氏が趣味で集めた美術品を展示するため、1970年代に創設されました。
約3万5千人の街ですが、足立美術館には年間55万人もの人が訪れています。
横山大観の”紅葉”や北大路魯山人の陶芸作品など展示品も素晴らしいですが、世界が注目しているのは、”日本一美しい”と言われる日本画の中に入ったような日本庭園です。
枯山水と後ろの山々の風景は、まさに日本画の世界です。
手前から奥になるにつれ葉の密度を濃くすることで、後ろの山(借景)と合わさり1つの景色に見えるよう計算されています。
中でもおすすめのビュースポット2つは、こちらです↓
- 生の額絵:手前に大きなクスノキ、奥には背の低い黒松を配置することで、葛飾北斎の富嶽三十六景のような遠近感を感じるよう計算して配置されています。季節により景色が変わるので、行くたびに新たな表情が見られます。
- 生の掛軸:床間をくり抜いて窓を配置し、滝が流れる掛け軸のような景色を楽しめるようになっています。
横山大観の曳舟(ひきふね)は、日本画の常識を変えたと言われる作品で、朦朧体(もうろうたい)という輪郭選を描かずに色彩の濃淡やぼかしでものの形や空間を表現する技法が用いられています。
それ以前の日本の絵は墨の輪郭線が欠かせなかったのですが、それをなくすことで奥行きを表現しました。
第7位 福井県立恐竜博物館(福井県)
第7位 福井県立恐竜博物館(福井県)
福井県勝山市にある福井県立恐竜博物館は、駅からバスに乗ってアクセスできますが、新感覚XRバス WOW RIDEいこっさ!福井号にはプロジェクションマッピングが用いられていて、博物館へ到着するまでの時間も楽しませてくれます。
入口から33mあるエスカレーターに乗ると、地下1階には全長7.3mのティラノサウルスのロボットがお出迎えしてくれます。
- 奇跡が生んだ貴重なカマラサウルス(北米の草食恐竜)の骨格標本が見られる!9割以上が本物の化石!通常は死後他の動物に食べられたあと、微生物などによって分解されるため、ここまで残っているのは珍しいそうです。
- 世界一保存状態が良い、ブラキロフォサウルス(約7700万年前の北米の草食恐竜)のミイラ化石を展示!(世界的にミイラ化石は10点ほどしかないそうです。)死ぬ直前に食べていた針葉植物まで胃に残っていたそうです。
第6位 国立西洋美術館(東京都)
第6位 国立西洋美術館(東京都)
近代建築の三代巨匠 ル・コルビュジエが設計した建物(本館と前庭を含む)は、2016年世界遺産に登録されています。
所蔵しているのは、ルノワール、ピカソ、モネなど世界の巨匠の名作ばかりです。
また、19世紀を代表する彫刻家 オーギュスト・ロダンの彫刻作品を、約60点収蔵しています。
”うずくまる女”、”考える人”など、不自然なポーズの銅像が多く、筋骨隆々としていて、力強い人体表現が特徴のひとつです。
伊沢拓司さんによると、国立西洋美術館は西洋美術史の流れに沿って展示しているので、少し勉強してから行った方が楽しいそうです。
【住所】東京都台東区上野公園7−7
【TEL】050-5541-8600
【営業時間】9時30分~17時30分(金曜日・土曜日〜20時00分)
【定休日】月曜日
第5位 金沢21世紀美術館(石川県)
第5位 金沢21世紀美術館(石川県)
まるで水の中に入ったような作品 スイミング・プールも人気ですが…
淺井裕介氏が描いた、現代アートの壁画「大地の譜面 足音の音楽/今ここで土になる」も見どころです。
石川県40ヶ所から泥を集め、泥で作った88種類の絵の具で描かれています。
第4位 九州国立博物館(福岡県)
第4位 九州国立博物館(福岡県)
太宰府天満宮から伸びる虹のトンネルを抜けると、玄界灘の波をイメージした外観が特徴の建物が見えてきます。
常設の文化交流展示室には、朝鮮半島から伝わった技法で作られた古伊万里などの作品が並びます。
さらに、九州国立博物館では、門外不出の葛飾北斎の作品群が展示されています。
葛飾北斎は富嶽三十六景神奈川沖浪裏などの版画が有名ですが、版画ではなく、墨一色で描かれた、獅子の絵 ”日新除魔図”を200点以上所蔵しています。
世界的な古美術商 坂本五郎氏から、門外不出を条件に寄贈されたものだそうです。
晩年の北斎が、「1日今日も良いことがあるように」という願いを込め、魔除けのために毎朝描いていたそうで、気持ちが落ち込んだ獅子、そろばんをはじく獅子の九九など、北斎の素顔が表れています。
第3位 東京国立博物館(東京都)
第3位 東京国立博物館(東京都)
東博(トーハク)の名称で知られる、1872年(明治5年)開設の博物館です。
2025年6月15日まで、大河ドラマでも話題の蔦屋重三郎に関する作品を展示した、特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」も開催されています。
年間約400回も展示品が次々と入れ替わっており、訪れるたびに異なる作品に出会えます。
中でも今見ておきたい作品が2点あります。
- 3000年前の古代エジプトのミイラ(日本でわずか2体のみ):1904年にエジプトから寄贈。少年のミイラと考えられていましたが、2015年CTスキャンで調べたところ、中年の人物ということまでわかっているそうです。
- 平安時代に作られた、金剛力士立像:もともと滋賀県にあったお寺の門に安置されていたもの。昭和9年台風被害で壊れたものを、2020年ごろから約2年かけて修理し、90年の時を経て、その姿を取り戻した貴重なもの。鎌倉時代の筋肉隆々の背中ではなく、貴族文化ならではの肉付きの良い柔らかい背中が特徴。
第2位 大塚国際美術館(徳島県)
第2位 大塚国際美術館(徳島県)
世界中の名画と全て同じ寸法で作られた、陶板名画が1000点以上展示されています。
大塚グループが開発した陶板に、特殊技術で絵画を転写した名画のことで、高温で何度も焼き絵の具を定着させるため触れても大丈夫で、約2000年色褪せることがないそうです。
レオナルド・ダ・ヴィンチ作「モナリザ」はルーブル美術館では囲い越しにしか見られませんが、こちらでは作品に触れることもできます。
イタリアの修道院に描かれたレオナルド・ダ・ヴィンチ作の「最後の晩餐」は、修復前と修復後の比較展示が見られます。
バチカン市国のシスティーナ礼拝堂に描かれた、ミケランジェロ作「最後の審判」は、天井画まで絵画が再現されています。
イエス・キリストの右下に描かれた抜けがらの顔は、ミケランジェロ本人の顔と言われています。
ゴッホが描いた「ヒマワリ」のうち、戦争で焼失したものも、写真などから陶板で再現しています。
第1位 国立科学博物館(東京都)
第1位 国立科学博物館(東京都)
1877年、明治10年に開館した日本で最も歴史のある博物館のひとつです。
展示点数2万5000点以上!収蔵庫も含めると、500万点も所蔵しています。
1968年に高校生の鈴木さんが発見した首長竜(2億5000万年〜6600万年前に生息していたとされる、大型の首が長い爬虫類のグループ)の化石”フタバスズキリュウ”など、貴重な資料が展示されています。
国立科学博物館 栗原副館長おすすめ絶対観るべき標本2選です↓
- 忠犬ハチ公の剥製(南極観測隊の樺太犬ジロの剥製もあります)
- ニホンオオカミの剥製:1905年に絶滅したニホンオオカミの剥製です。長年ヤマイヌの一種として、長年保管されてきた剥製で、5年前見学イベントの際、当時小学4年生だった小森さんが「ニホンオオカミではないか?」と指摘。その後3年に渡り調査を続け、昨年論文を発表し、世界で6体目のニホンオオカミの剥製と認定され、大ニュースになりました。展示されているのは、もともとあった1体の方だそうです。
番外編:京都市京セラ美術館(京都府)
1933年開館で、日本で2番目に古い公立美術館として知られ、5年前にリニューアルしています。
京都市京セラ美術館(京都府)では、「モネ 睡蓮のとき」が2025年6月8日まで開催されています。
印象派の巨匠 モネが描いた睡蓮の中で、日本初公開の作品が展示されています。
生涯で250点もの睡蓮を描いたモネは、晩年白内障を患いましたが、経験と感覚などから絵の具を調合し、作品を描き続けたそうです。
番外編:東京都美術館(東京都)
東京都美術館(東京都)では、これまでフェルメールやゴッホなどの特別展を開催してきました。
現在は、20世紀を代表する巨匠の一人・ミロの23点ある星座シリーズの1つ「明けの明星」が展示されています。
第二次世界大戦でミロが疎開している時の作品で、布ではなく、持ち運びしやすい紙に描かれています。
平和への願いを込めて作成されているそうです。
ミロ作品の中でも特におすすめなのが、絵の中央に大きな穴があいた「焼かれたカンヴァス2」で、描いた後切り込みを入れたり、踏みつけたり、ガソリンで焼いたりした作品です。
ミロは絵画が利益目的の商品として扱われることに反発していたことから、巨匠と呼ばれるようになっていた80歳頃、絵を破壊することであえて商品価値を下げたそうです。
作品をシュレッダーにかけた、バンクシーの先駆けのようなことをやっていたことになります。
まとめ
『林修の今知りたいでしょ』で放送された、勉強になる美術館・博物館ランキングを紹介しました。
休日のお出かけの参考にいかがでしょう。