2020年3月29日のTBS系列『世界遺産』では、これまで放送してきた世界遺産の中からもう一度見たい『世界遺産ベスト10』が発表されました。
これまでの放送で視聴率の高いものから、視聴者1000人にアンケート(複数回答)を実施。
得票数の高かったものを取り上げます。
この記事では、世界遺産ベスト10をまとめます!
第10位 イスタンブール歴史地区(トルコ)
第10位は得票数577を獲得したトルコのイスタンブール歴史地区です。
海峡を挟んで東にアジア・西にヨーロッパが広がり、東西文明が折り重なった古い都です。
6世紀に建てられたアヤソフィアは、当時世界最大のドーム建築でした。
もともとキリスト教の聖堂でしたが、のちにイスラムのモスクに変えられました。
修復のために漆喰をはがすと、聖母子像などのモザイク画が現れたそうです。
15世紀からはオスマン帝国の都として栄えました。
トプカプ宮殿は皇帝スルタンの居城でした。
当時金よりも貴重だった中国製の磁器や86カラットのダイヤモンドなど、世界中の富が集められました。
第9位 アルルのローマ遺跡とロマネスク建築(フランス)
第9位は得票数590を獲得したフランス・アルルのローマ遺跡とロマネスク建築です。
かつてローマ帝国の大都市だったアルルには、多くのローマ遺跡が残っています。
2000年前に作られた円形闘技場には2万人が収容でき、今も使われています。
古代ローマの技術が生んだ水道橋は約60㎞あり、山から水が引かれていました。
2011年、町を流れるローヌ川の底から古代ローマの木造船が発見されました。
全長31mもある古代ローマの木造船は、当時地中海貿易の中継地だったアルルの歴史を物語っています。
第8位 古都トレド(スペイン)
第8位は得票数597を獲得したスペイン・古都トレドです。
王が暮らす都だったトレドは川に囲まれた小高い丘にあり、ぐるりと城壁が築かれています。
丘をそのまま利用しているため坂道ばかりの町の中心には、トレド大聖堂があります。
270年もの歳月をかけ15世紀終わりに完成しました。
王自らの権威を示すため黄金を惜しみなく使った金の彫刻が、中央祭壇に施されています。
宝物庫にある聖体顕示台は重さ180㎏もある金の器で、年に1度祭りの時だけ出され街を巡ります。
第7位 ナスカとパルパの地上絵(ペルー)
第7位は得票数610を獲得したペルー・ナスカとパルパの地上絵です。
1930年代上空を飛んだパイロットが大地に刻まれた巨大な絵を発見。
地上絵のモチーフとなっているのは、ハチドリやクモ、サルなど様々な生物でした。
2014年日本人研究者が最新の測量機で新たな地上絵を発見。
2人の人物が描かれており、1人は首が切られている奇妙な絵です。
およそ1300年前、地上絵を描いた人々は多くの謎を残したまま、この地を去ったとされています。
第6位 ドゥルミトル国立公園(モンテネグロ)
第6位は得票数636を獲得したモンテネグロ・ドゥルミトル国立公園です。
アドリア海に面した国・モンテネグロで、太古から生き残った原生林が覆うヨーロッパでもっとも深い峡谷です。
川面からそびえたつ断崖は、高さ1300mもありました。
ドゥルミトルの地層は、蛇腹のような模様を描いています。
海底から隆起する際、プレート活動による圧力で地層がねじ曲がったのです。
起伏にとんだ公園には、湖がいくつも点在しています。
ツルノイェゼロ(黒い湖)には森の景観を映し出されており、幻想的な風景が広がります。
第5位 ポンペイの遺跡地域(イタリア)
第5位は得票数641を獲得したイタリア・ポンペイの遺跡地域です。
およそ2000年前、ヴェスヴィオ火山が噴火し麓の町ポンペイを飲み込みました。
ポンペイはおよそ1万2000人が暮らすローマの都市でした。
降り積もった火山灰は厚さ5mにもなったと言われています。
逃げ遅れた市民は2000人あまり、数々の遺体のあとが発見されたのは19世紀半ばでした。
碁盤のような街並み、整然とした都市計画の跡が見てとれます。
街には公共の水道も設けられていました。
フォロ浴場は当時の公共浴場で、サウナ風呂も設置されていました。
大理石の水盤から絶え間なく湯が溢れ、市民の疲れを癒していました。
第4位 ハワイ火山国立公園(アメリカ)
第4位は得票数651を獲得したアメリカ・ハワイ火山国立公園です。
キラウエア火山は世界で最も活発な火山と言われ、2014年10月にはあふれ出した溶岩流がふもとの村を襲いました。
その5か月後、被害現場のパホア村を取材すると溶岩は黒い土手のようになっていました。
溶岩の中はまだ150度~200度の温度を保っており、雨が降ると湯気がでるそうです。
第3位 エトナ山(イタリア)
第3位は得票数682を獲得したイタリア・エトナ山です。
およそ50万年前に誕生した活火山で、今も噴火を繰り返しています。
山頂の火口にはいくつもの噴出孔が見られます。
山頂から続く黒い筋は流れ出した溶岩です。
17世紀カターニアの町を襲った噴火が、フレスコ画で描かれ残っています。
エトナ山のふもとにあるカターニアは、噴火の被害から復興した町です。
溶岩を切り出し、家を作る建材として使用しました。
そして18世紀、バロック様式と呼ばれる美しい街並みが生まれました。
第2位 マチュピチュ歴史保護区(ペルー)
第2位は得票数683を獲得したペルー・マチュピチュ歴史保護区です。
築いたのは500年前に滅亡したインカ帝国でした。
北側にそびえるワイナピチュ(標高2720m)には、不思議な神殿があります。
石段を登っていくと、巨石を利用して作られた月の神殿があります。
先祖を祭る儀式が行われたと言われています。
第1位 小笠原諸島(日本)
第1位に輝いたのは、得票数714を獲得した日本の小笠原諸島でした。
30余りの島からなる小笠原諸島は、地底のマグマが噴出して誕生しました。
海岸沿いにはマグマが冷え固まってできたボニナイトと呼ばれる岩石が見られます。
これだけ大規模にみられるのは、世界でもここだけだそうです。
亜熱帯のジャングルが広がる母島は、不思議な生き物であふれています。
固有種のオガサワラオカモノアラガイは、湿潤な気候で乾燥から身を守る必要がないため、殻がなくなりつつあります。
同じく固有種のアカガシラカラスバトは、天敵がいないため地上で過ごすようになりました。
独自の進化を遂げた生物を、間近で見ることができます。
まとめ
もう一度見たい世界遺産ベスト10をおさらいしました。
なかなか旅行することができない時期ですが、少しだけ旅する気分を味わえた気がしますね!