2020年1月9日のテレビ東京系『主治医が見つかる診療所』では、健康の新常識&日常に潜むキケン習慣が放送されました。
第1部に続いて第2部でも、『知らないと命を落とすキケンな習慣』Part2を実話ドラマで再現。
この記事ではその内容をまとめます。
謎のアレルギー反応⁉牛肉アレルギーとは?
【実話ドラマ③】
佐藤優さん(仮名・50歳)は2015年11月の午後3時、日課の犬の散歩をしていました。
近所だったので軽装で来ていましたが、犬がはしゃいでいたので一緒に草むらに入ってしまいました。
午後6時には自宅ですき焼きを食べ、午後10時には入浴を済ませてお酒を飲んでいたところ、足に見慣れないほくろを発見。
そのままお酒を飲み続け、コタツで寝てしまいました。
すると午前1時に足にかゆみが。かゆみは徐々に悪化し、足だけでなく腕やおなかまでかゆくなってきました。
服をめくってみると、全身じんましんで真っ赤に!
症状は悪化し、呼吸困難に陥ってしまったのです。
救急病院へ行くと、医師の診断は「動物アレルギーなのでは?」とのこと。
治療を受けると症状が治まったので、念のため動物と距離を置いて生活するように。
ところが数日後、また全身にじんましんが出てしまったのです。
不安な佐藤さんは原因を知るため、アレルギーに詳しい医師を訪ねて診察してもらうことに。
すると病気の原因は『牛肉アレルギー』だったのです。
これまで牛肉でアレルギーが出たことがなかった佐藤さんですが、牛肉アレルギーはマダニに何回か刺されると発症するそうです。
マダニの唾液の中にはα-galという物質が存在します。私たちがマダニにかまれると、皮膚を通してこの物質が体に入りアレルギーの原因となります。
牛肉の中にもα-galが存在しており、口から牛肉をとった時にもこの成分が体の中に入ってしまい、アレルギーを発症させてしまうそうです。
佐藤さんは犬の散歩で草むらに入ることでマダニに何度かかまれていたため、アレルギーをは発症してしまったようです。
α-galは牛肉だけでなく、豚肉・羊肉・イノシシ肉など哺乳類の肉には含まれている物質なので、アレルギー症状が出てしまいます。
ただし鳥類の鶏肉には含まれていないため、食べることができます。
患者さんの多くはマダニにかまれたことに気づいていないことが多いため、牛肉アレルギーも特定されにくいそうです。
マダニはかゆみや痛みを感じさせない物質を分泌しているため、痛みやかゆみで気づくことは少なく、ほくろやできものができたと思い気づくことが多いそうです。
マダニにかまれないためには、長袖・露出の少ない服を着て、マダニが入ってこないようにすることが大切です。
またすぐにシャワーを浴びると、洗い流すことができるそうです。
さらに血液型A型・O型の人は、牛肉アレルギーになるリスクが高いと言われています。
B型・AB型の人はα-galに似た物質をすでに持っているので、アレルギーが起こりにくいそうです。
そしがや大蔵クリニックの中山先生によると、魚のカレイの卵にもα-galに似た物質が含まれているため、注意が必要だそうです。
内臓が破裂する⁉キス病とは?
【実話ドラマ④】
高校生の中沢由紀さん(仮名・17歳)は病気知らずの健康優良児。
学校帰りにタピオカドリンクを、友人と交換して飲みました。
家に帰ると腕に虫刺されを見つけたので、市販の薬を塗りました。
夕食前に牡蠣の殻むきを手伝っていると、誤って指を切ったため傷口を水で洗いました。
この日のメニューは手巻き寿司で、マグロ・甘エビ・サーモン・カキ・タマゴ・キュウリ・納豆・ツナフレークが具材でした。
1か月後の朝、体のだるさが気になり熱をはかると38度4分に。喉も痛く風邪だと思い、市販のかぜ薬を飲んで休みました。
3日経っても熱は下がらず、ついに40度を超えてしまいました。リンパ腺が腫れ上がり、激しい腹痛も!
病院でCTをとると、肝臓とひ臓が腫れ上がっていたのです。
そのまま緊急入院することになってしまいました。
血液検査の結果、中沢さんの病名は『キス病』でした。
キス病は正式名称を伝染性単核球病と言い、唾液を通してEBウィルスに感染し発症します。
幼少期であれば無症状、またはほとんど症状が出ない病気です。
EBウィルスは親との接触により思春期前までに約7割が感染していますが、たまたまこれまで感染せず、思春期以降にキスなどから初感染すると重症化しやすいそうです。
中沢さんはタピオカドリンクを交換して飲んだことで、すでにEBウィルスに感染していた友人の唾液から感染してしまったのです。
2012年には、爆笑問題の田中裕二さんがキス病を発症して緊急入院しています。
重症化すると肝機能障害や、ひ臓が腫れ上がり破裂して死に至るケースもあるそうです。
近年親の虫歯菌が子供に移るから口移しはダメという考えが浸透しているため、キス病が増加しているとのこと。
石原先生によると、小さい時から色んな菌やウィルスに触れておいた方が良いそうです。
身近なところに落とし穴が!
『知らないと命を落とすキケンな習慣』Part2も、私たちの身の回りにありがちなシチュエーションばかりでした。
身近なところに病気の原因となる落とし穴があるので、事前に知っておくことが大切ですね。
この後に紹介された『ビタミンA・C・Eをとる裏ワザ調理法』は、次のページでまとめたいと思います↓